酒40、食30、店10、物10、他10。たぶん。


by ranjin
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カテゴリ:本( 2 )

文章は作者の心象世界を感じることに他なりません。
ともすれば、作者の感傷的な世界を見せられることになることになります。私はそれがあまり好きではありません。
そのため、所謂「文学作品」が好きになれず、完全なゲームとしての文章、例えばミステリなどを好んでいました。
その私からして、このアゴタ・クリストフの作品群はとても特異なものです。
感傷性が一切排除されています。描かれている世界観もそうですが、特筆すべきは徹底した文体。感情の立ち入る隙を与えていないのです。身震いしそうになるほどです。
ある程度の作品であれば、第三者が真似ることは出来ます。しかし、私が思うに、この作者を真似ることは到底できないと思われます。そして、たとえ真似ることが出来たとしても、それは辛い作業であることも予見させます。希有な存在であるこの作家は間違いなく「凄い」作家であり、これら作品群は間違いなく「凄い」作品群と言えます。

これら作品群には答えなど何もありません。何も完結することもありません。ただ透徹した視線で捉えられた世界が広がっています。

翻訳された堀さんの授業を受けている間に、これら作品群を知っておけば良かったと後悔しております。

下記はすべてAmazon(Japan)のリンクになります。括弧内は原題でリンク先はAmazon(France)です。原題と邦題の違い(特に悪童日記)は訳者後書きにて言及されています。

  1. 悪童日記(Le grand cahier:直訳「大きなノート」)

  2. ふたりの証拠(La preuve:直訳「証拠」)

  3. 第三の嘘(Le troisième mensonge:直訳「第三の嘘」)


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by ranjin | 2006-09-15 00:28 |
川端道喜著「和菓子の京都」を拝読しました。川端道喜は以前「おいとぽい」でもご紹介した様に京都に450年以上続く御粽司、和菓子舗です。
内容についてですが、タイトルそのままというよりは、和菓子を中心として京都の歴史を紐解いていくという文化、歴史エッセイという感じのものです。語りの文体で、くだけてはいるものの丁寧な口調なため、読みやすいと感じました。
当然、粽の事はふれられています。御所(天皇)とのかかわり、天皇が東行してからの茶家とのつながりなど、各時代の道喜のことが記されています。
それだけではなく、最初が祗園からはじまり、ある種の京都文化論が掴みにくる辺りにただの和菓子舗の親父の文ではないなと思わされます。歴史的な考察や今後の和菓子観にも持論があって、大変読み応えがあります。
それらを通じてもやはり貴重な事は、川端家というものがどの様に京都で生きてきたかということを、ご本人が記述していることです。その中で家伝の文書や品物が登場するので、他には見られない内容にしあがっています。大変文化的に価値ある本だと感じました。
なお、こちらの本は岩波新書より1990年に出版されたものですが、現在では絶版となっている様です。ただ、一時期復刊されていた様です。どうも定期的に復刊しているのかもしれません(現在入手可能ではない様ですが)。
なお、こちらの著者である15代川端道喜さんは1990年にご逝去されたそうです。
余談ですが、返す返すも京都旅行の時に、水仙粽を京都高島屋で買い忘れたのが残念です(生風庵の和菓子を買ったときには置いてあって、翌日には無くなっていたのでした)。


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by ranjin | 2006-01-05 01:02 |