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酒40、食30、店10、物10、他10。たぶん。


by ranjin
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京都美味いもの三昧その二

京都二日目も和菓子で朝がはじまります。
それは川端道喜の粽から。


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今回の旅の目的の一つとも言えます。それは15代道喜が記述した「和菓子の京都」を拝読し、その内容に感銘を受けていたからです(記事に書いてある「目前で食べ損ねた」から、ではありません、、、よ)。いつか頂きたいなと思い、遂に結実。五本で一束ですが、流石に独り占めは勿体ないので、二本を居酒屋のたかはしさんに差し上げました。


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道喜の粽のうち、水仙粽を購入しました。笹がこれでもかこれでもかと使われており、ホテルの部屋が笹の香りに包まれます(不思議とこの笹の香りはお茶にも合うかと思います)。この時点でただものではないな、と粽に向かってひとりごちました。次にこの瑞々しさ。まさに純粋。なんだか語るのもおこがましくなる雰囲気。味わいにインパクトがあるものではありません。見た目もなんだかぷるぷるした白透明の食べ物。しかし、ただただ純粋な佇まいが強く心を打ちます。格段に高いものですが、年に一回は食べたいと思わせるお品です。


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次に昨年もお邪魔した松屋常磐(中京区堺町通丸太町下ル)に伺いました(ちなみに車のナンバープレートはプライバシーもあるので当方で写真を加工)。京都御所前の老舗です。こちらの味噌松風は大変美味しく、良くお土産にしますが、それ以上にこちらのきんとんが大好きです。何しろ、きんとんにしては安い :-)


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ご覧の通り、決して嘯月の様な芸術的な細やかさや、末富の様な煌びやかな造形ではありません。ただ、なんとも温もりのある雰囲気が好きです。そして、口溶けの良さが透き通った味わいを感じさせます。このきんとんは酒飲みにも受けるのではないかと思います(しっかりと甘みはあります)。


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やはり濃茶。ちなみにきんとん下の懐紙が濡れ始めているのが解るかと思います(おいて数分)。それだけ水分量が豊富ということですね。これは嘯月、末富、そして、後にでてくる御倉屋もそうでした。塩芳軒はもう少し堅めです。


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最後に包装。あぁ、うっとり。平安京なんて書いてしっくりいくお店はそうありません。


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いくら美味しくてもきんとんと粽ではお昼にはなりません。お昼は懐石の老舗、近又(京都市中京区御幸町通四条上ル)に伺いました。お座敷ですとお値段が跳ね上がるので椅子席にて。新しい風も感じられる味わいですが、ベースはやはり脈々と受け継がれているお味なのでしょう。御雑炊をこれでもかというほどに入れて頂いていた事に感謝。やはりご飯が一番です。汁も含めて空にしたら少々驚かれていました。
食後に女将さんとお菓子で長話。生活のお菓子と茶席のお菓子の違いについてのお話。参考になりました。


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お腹も満腹。ということで、次は北を目指します。目指すは御倉屋(京都市北区紫竹北大門町78)。そしてこの店、と、遠い。
そもそも近く(といっても歩いて30分くらい)に上賀茂神社があるくらいの京都市の北。京都に来てはじめて迷いました。閉店時間も近づいていたので、歩きながら電話をしてお店の場所をきいていると、、、ここかー、ということで到着。
通りに面しているので、それさえ外さなければ迷うことはないはずなのですが、、、お店が暗いから、目立たない。。。しかもこんな場所。良くまぁ、やっていけるものです。それだけで感心しきり。
お店に入るとジーパンをはいたお姉さんが応対してくださいました。うむ家内制手工業って感じです。閉店間際なのにも関わらず、予約の品物以外にも地方配送をしてもらったりと我が儘をきいてくださいました(そちらのお品物は改めて取り上げたいと思います)。感謝。


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遠くまで足を運んだので、感慨も一入。きんとん、薯蕷饅頭を頂くと、やはり美味しい。特にきんとんのお味は瑞々しさが口に広がり、嘯月とも松屋常磐とも違った意味での純粋さを感じました。ここまで来ると高次元の比較になるので後は好みだと思います。この地で営んでいける由縁をお菓子から感じました。


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京都最終日は味舌(京都市東山区祇園町北側246)。京都は祗園、南座の向かい、縄手通から東十軒目という何とも解りやすい場所にあるのですが、見事に通り過ぎました。御倉屋からの帰りで少々時間も消費していまい、最終入店時間で予約していたので、またもやお電話。大変丁寧に誘導して頂けました。
水打ちされた路地を歩き店内に入ります。白木のカウンターにて、出汁のきいたお料理を頂き、心もあたたか。特にお椀物が美味しくて、しきりに頷いていました。なお時節柄か菖蒲酒が食前に振る舞われました。意外とこれが美味しく驚きの食前酒に。また食後には自家製和菓子。なんとも嬉しい。茶席とは違う料理屋さんの和菓子を煎茶と頂きました。それぞれの自負と共にある、そんなお菓子が根付くこの地はやはり特別な地ですね。
その後、たかはしさんに出向いて、となりのおじさんと会話しつつ(東京出張される方がいたので、志ノ蔵さんと井のなかを紹介)、ほろ酔い気分でホテルまで。大満足の京都でした。


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おまけ。八坂神社の拝殿前で。これってギャグ?
by ranjin | 2006-05-08 22:31 |